GoogleとTwitterと

Googleの野望は世の中のすべてのデータを電子化しクラウドに放り込んで誰でもが検索可能にする事。
実はわたしの会社も活字の電子化についてはかなり昔から取り組んできている。ただし「クローズド」な環境での保管/管理/検索を実現するもので、そのシステム導入に関してはコンサルティングに始まり構築から運用/維持管理まですべて有料(高額)である。専任SEを何名つけて云々であるが、実際にはSEはいくつも仕事を掛け持ちしており、SE自身がgdgdしている時間や息抜きのウェブサーフ、メシやトイレの時間までお客様に請求がいっているような気がする。
Googleのサービスは基本タダである。
強力な検索アルゴリズム(最初はAltavistaかと思った)を引っさげてYahooの始めた検索事業に後から参入し、Yahooを少なくとも時価総額では越えて一代王国を築くのに成功した。Mountain Viewに居を構えていたAdobeがSan Jose市の税制優遇提案に乗っかる形でSJに移転した後の数多くの空きビル、その真ん中に居座っていたSilicon Graphicsの巨大キャンパスを全部借り受け、FW101北側のShoreline一体はいまやGoogle村である。
その後もGmail開始、YouTube買収、Picasa買収、Blogger買収、とウェブの主要コンポーネントを次々と手中に収めていく。これらは「サービスメニューの充実」という表向きであるが、真の狙いはユーザーの一日の生活のうちPCに向き合っている時間をどれだけ長くGoogleウェブワールドに縛り付けておけるか、である。YouTubeはその顕著な例だと思う。収益の9割を広告収入で賄っているのだから「Google環境にいてもらう = 広告を見る」というプライオリティが一番高い。

Twitterを始めて半年くらいになるが、私の生活時間のうち通勤はiPhone、自宅はPC(マック)と向き合っている時間の大半はTwitterになってしまった。あとはあらかじめブックマークしているコンテンツをダイレクトに閲覧する。メールもMobileMeGmailは外部からのサービス情報を受けるだけでプライベートなメールはFacebookTwitterGoogleにアクセスするのは、どこかに行くときに地図見るくらいで、Googleワールドに滞留している時間はほとんどなくなってしまった。
一番大きな違いは、
Google:既存コンテンツの整理整頓と瞬時提供
Twitter:コンテンツ提供者同士のリアルタイム相互アクセス
Googleの先にあるのは巨大なクラウドTwitterの先にあるのは人。
Googleに「今日はまいっちゃった」と入力すると、今日はまいっちゃったの検索結果:約1,000,000件(0.27秒)と返ってくる。Twitterに「今日はまいっちゃった」と入力すると、「何かあったの?」「くよくよするなよ」と返ってくる。
映画、音楽、IT、本などの情報もTwitterだけで十分いける、その先にアマゾンも繋がってくれている。
この生活の変化は多かれ少なかれ世界中で起きているんじゃないだろうか。Googleの次の決算報告が興味深い。
あとは札ビラでTwitter買うという手段もあり得る。

Googleには企業へのGoogleコンポーネントを基軸にした情報インフラ構築サービス事業を積極的にやってほしい。
うちの社内はMS ExchangeベースであるがExchangeの全面展開決定は昨年暮れ。電話に至ってはいまだに専用の外線番号割当をもらえない、まわりの人の電話をお互いに取り合う、という過去にタイムスリップしたような典型的な20世紀ガラパゴス企業。
情報漏洩リスクを守るために「ノートPC持ち出し禁止(ノートの意味なし)」「USBメモリは各部門で台帳管理(まじかよ!)」「持ち出さないことを誓約書で誓う」「漏らしたら上司も含めて懲戒処分」、無知とムチでがんじがらめである。「クラウドビジネスせい」とか言っておきながら内部はこんな感じのとっても愉快な会社である。石橋を叩いて壊すようなところがあるので積極的に新しいシステムを導入することはあり得ない。
全電子データのクラウド管理が主流になり世の中の95%くらいの企業に普及してくれば、我が社にも入るだろう。何たって、いまExchangeに移行してるんだからね。

そのころには定年を迎えているかもしれないなぁ。