原田真二

私が高校の文化祭で「女呼んでブギ」を熱唱している頃、隣町の高校出身のひとつ年上のミュージシャンがデビューし、日本中に旋風を巻き起こしていた。なにしろプロデビューが決まり、上京する前のさよならコンサートに(アマチュアで!)2,000人が集まった。
一曲のデビューではその才能が伝えきれないということで、毎月1枚ずつ3枚連続のシングルリリース。「てぃーんずぶるーす」「キャンディ」「シャドウボクサー」そのすべてがヒットチャートを駆け上がる。

ファーストアルバム「Feel Happy」久しぶりに聴いてみたが、改めてそのクオリティの高さに脱帽。アルバム1枚全曲通して駄作がないのは、あと思い当たるのはStephen BishopのCarelessくらいしかない(あのビートルズでさえ自分的には外れがある)。
ビギニング」
Overtureとして、エルトンジョンのGBYBrick roadの影響を感じるが、オープニングとしてインパクトあり。
「Curtain Rise」
多重コーラスから始まる全スコアがこのアーティストの頭の中から、まさに天才の幕が上がる。
「Angel Fish」
ちょっとコモドアーズのMachine Gunに似過ぎ?てのもあるが、これは「インスパイヤ」されたと言う。例えばドリカムの「決戦は金曜日」もシェルリンの「Got to be Real」にインスパイヤされた作品である。
「風をつかまえて」
メロディラインの完成度の高さはもう鳥肌、ロジャニコのドリフター級!
もう他にも質の高いポップスの玉手箱のようなアルバム。なにしろ広島から上京してきたばかりの少年がアレンジのスコアまでほとんどやった。スタジオミュージシャンとして参加していた鈴木茂が「あんまりやることがなかった」とのちにコメントしている。

聴いたことある人も初めて聴く人も、ベストアルバムではなく、デビューアルバムをぜひ聴いてほしい。

Feel Happy 2007~Debut 30th Anniversary~

Feel Happy 2007~Debut 30th Anniversary~

自分の母国の天才少年の噂を聴いたオノヨーコが旦那に聴かせ、旦那はアルバムプロデュースを決意。話が進んでいた矢先に凶弾に倒れ残念ながら実現しなかった。

日本の生んだ天才ロックミュージシャン:原田真二